コラム
会報・報告書の表記ゆれを減らすには?
原稿をまとめるときのそろえ方
公開日:2026年10月26日

この記事の要約
- 日付・数字・言葉の表記は、今回の原稿で混在するものからそろえる。
採用する書き方と使う範囲を短いメモにします。 - 人名・正式名称・引用文は、一律に置き換えない。
正式な表記や原文を確かめ、寄稿者の語り口として残す部分も考えます。 - 検索で見つけた箇所は、前後を読んでから直す。
表や写真説明も対象です。組版を頼む場合は表記のメモを渡し、修正の分担を相談します。
よく出てくる表記から、ルールを決める
前号や団体の広報資料に決まった書き方があれば、それを手がかりにします。決まりがない場合は、集まった原稿を見て、混在している表記と、今回使いたい形を並べるところから始められます。
| 項目・原稿に混在する例 | この会報で使う形 |
|---|---|
| 日付2026/10/1 令和8年10月1日 | 本文は 「2026年10月1日」 |
| 人数二十人 20人 | 人数を数える箇所は「20人」 |
| 言葉申込み 申し込み | 本文は「申し込み」 |
| 団体名・略称○○協会 協会 | 各記事の初めに「○○協会(以下、協会)」と書き、以降は「協会」 |
この表は、一つの会報で決める場合の例です。西暦と和暦のどちらかだけが正しい、という意味ではありません。読み手や団体の慣例に合わせて選べます。「表の中は幅が限られるため10/1とする」など、本文と異なる扱いが必要なら、その範囲も書き添えましょう。
「日付をそろえる」だけでは、どの形にするのかが人によって変わります。採用する表記と、使う範囲をセットで残すのがポイントです。原稿を依頼するときにこのメモを添えれば、次号からの手直しも減らせます。
人名や正式名称は、元の表記を確かめる
氏名の「高」と「髙」、団体名の漢字や送り仮名などは、冊子の一般的なルールよりも、本人や団体が使う正式な表記を優先したい箇所です。似た文字が並んでいても、掲載用の名簿や公式資料に照らして扱いを決めます。
同じ人の肩書が「会長」と「代表」で分かれている場合も、単純な表記ゆれとは限りません。役割や時期が違う可能性があります。名前・役職・日付が食い違っていたら、見た目をそろえる前に、内容が分かる人へ確かめましょう。
寄稿文やインタビューには、書き手の語り口が残ります。数字の書き方をそろえる範囲と、本人の言葉として残す範囲を分けておくと、文章の味わいまで消さずに済みます。原文どおりに載せる引用文は、通常の本文と区別して扱います。
検索した箇所は、前後の文章と一緒に見る
Wordの検索を使うと、「申込み」など、そろえたい表記がどこにあるかを探せます。直す前の原稿は残し、作業用のコピーで進めると、あとから元の文章と見比べられます。
見つかった言葉を別の言葉に変える「置換」も使えますが、最初は一つずつ前後を読んでから直すと安心です。本文の「申込み」を「申し込み」にそろえる場合でも、引用した案内の見出しや、正式な書類名に含まれる同じ文字は、そのまま残すことがあります。
数を表す箇所と、言葉の一部を区別する
参加者は二十人でした。参加者は20人でした。
一人ひとりの感想を紹介します。
「一人ひとり」は、この会報では言葉としてそのまま残します。
検索は、同じ文字の並びを探す助けになりますが、意味まで判断するものではありません。修正後に文章を通して読み、表の見出しや写真の説明文にも、決めた表記が反映されているかを見直します。レイアウト済みの原稿なら、文字数の変化による改行のずれにも目を向けましょう。
制作を頼むときは、表記のメモも原稿と一緒に
印刷会社へ組版を頼む場合は、原稿と表記のメモを一緒に渡すと、どの形で紙面を作りたいかが伝わります。「本文の日付は西暦」「寄稿文の言い回しは原文を維持」のように、そろえる範囲と残す範囲が分かる書き方にしておきましょう。
表記をそろえる作業も依頼したいときは、その希望を事前に伝えます。紙面のレイアウトと、言葉の統一・内容の確認は別の作業です。誰がどこまで直し、判断に迷う箇所を誰に尋ねるかを相談しておくと、制作が進んでからの行き違いを減らせます。
会報・報告書を原稿から冊子に
西谷印刷では、Wordなどの原稿をもとにした組版・DTP制作から、印刷・製本までご相談いただけます。原稿を整える途中でも、必要な制作範囲や進め方をご相談ください。
あわせて読む:複数人で作る原稿のまとめ方/印刷物の校正で見るポイント
参考:文化庁 「公用文作成の考え方」の周知について(読み手に合わせた書き表し方)、Microsoft 「Wordでテキストを検索して置換する」。公用文の手引は参考資料であり、上記の会報の表記例を一律に定めたものではありません。
