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トリアージタッグの使い方・書き方
訓練で確認したい記入と引き継ぎ

トリアージタッグを2枚並べ、黒いボールペンとクリップボードを置いた訓練準備のイメージ

トリアージタッグを使う訓練では、記入した内容が次の担当へ届くところまで確かめます。傷病者役に付けるタッグと、各担当が受け取る複写の控え。それぞれの行き先を決めておくと、記入漏れだけでなく、受け渡しが滞る場所も見えてきます。

この記事は、医療機関や消防、自治体などが関係機関と連携して行う訓練を想定しています。記入と引き継ぎの準備を扱い、医療上の判定方法は解説しません。実際のトリアージは、所属する組織の計画と専門職の指示に従ってください。

訓練前に、判定・記入・搬送・集計の役割を分ける

判定する人がタッグの全項目まで一人で記入すると、次の傷病者への対応が遅れることがあります。厚生労働省医政局事業のBCP策定手引きに掲載された運用例では、トリアージの実施者と記載者を2人1組にしています。これは一つの運用例であり、実際の人数と役割は各組織の計画に合わせます。

  1. 判定する人

    組織で定めた基準に基づいて区分を判断し、記入する人へ結果と根拠を伝えます。

  2. 記入する人

    通し番号、時刻、実施者、区分、観察内容などを、決められた欄へ読みやすく残します。

  3. 搬送・誘導する人

    タッグが装着されていることを見て、区分に応じた場所へ傷病者役を誘導します。

  4. 控えを回収・集計する人

    複写の控えを受け取り、傷病者役の人数や移動先を記録します。

筆記具は、下の用紙に写るか試しておく

訓練前には、タッグと予備、記入用の黒い筆記具、控えを入れる箱やファイルを用意します。日本赤十字社和歌山医療センターの解説では、黒のボールペンを使い、複写の下の用紙にも写るよう記入する例が示されています。使用する用紙に適した筆記具を選び、実物で書き心地と複写の濃さを試しておきましょう。

傷病者役に渡す設定カード、通し番号を管理する一覧、各区分の誘導先を示す表示も、タッグと一緒に準備します。実在する人の個人情報を練習用に書かず、架空の氏名や連絡先を使うこと、訓練後にタッグを回収・処分することも事前に決めておきます。

番号・時刻・実施者を、判定結果と一緒に残す

記入する順序は、使用する様式と組織の手順に合わせます。通し番号などの識別情報、実施日時・実施者、区分とその根拠となる所見を残し、氏名、負傷部位、観察・処置の内容も該当する欄に記入します。

例えば、同じ人を再び判定したとき、区分だけが書かれていると、どちらが新しい記録か分かりません。時刻と実施者が一緒に残っていれば、経過を追う手がかりになります。

分からない情報を推測で埋めず、不明な欄の扱いは組織の手順に従います。読み取れる大きさで書き、追記や修正に使う余白も残しておきます。

色帯を残し、決めた位置へ装着する

もぎ取り式では、判定した区分へ印を付け、その区分と同じ色が一番下に残るよう、実物の手順に沿って不要な色帯を切り離します。記入した区分と見えている色が一致しているか、装着する前に二人で見比べると、訓練中の取り違えに気づきやすくなります。

厚生労働省資料に掲載された病院BCPの運用例では、右腕への装着を優先しています。実際の装着位置は、組織の計画とタッグの仕様で確かめます。訓練では、傷病者役が移動してもタッグが外れず、次の担当者が色と記録面を見られる位置へ装着できるかを確かめます。

複写の控えは、渡す場所と保管担当を決める

複写式は、1回の記入で同じ内容の控えを作り、複数の場所で情報を共有する仕組みです。下表は、消防庁の報告書と日本赤十字社和歌山医療センターの解説にある、3枚複写の運用例を整理したものです。

3枚複写の用紙と引き継ぎ先の例
用紙残す先・引き継ぐ先
1枚目
災害現場用
救急指揮所など、現場で記録を集める場所へ。
2枚目
搬送機関用
搬送を担当した救急隊の記録として保管。
3枚目
収容医療機関用
傷病者とともに移動し、搬送先の医療機関へ。

複写枚数と保管先は、すべての組織で共通ではありません。病院内の運用例では、トリアージ実施場所と危機対策本部に控えを残す方法もあります。訓練で使うタッグの各用紙に印刷された名称と、主催者の手順を照合してください。

訓練では「どこで何枚目を外すか」「誰が受け取るか」「どこへ保管するか」を決めます。受け渡した控えを使って人数や区分、移動先を集計するところまで行うと、届かなかった用紙や受取先の食い違いに気づけます。

再トリアージでは、変更前後の経過が分かるように

傷病者の状態は時間とともに変わるため、トリアージは一度で終わりではありません。再トリアージで区分が変わったときは、新しい区分だけでなく、変更した時刻、判断した人、変更の根拠を記録します。

厚生労働省資料には、優先順位が下がった場合に新しいタッグを作り、旧タッグに無効を示す印を付け、新しいものと一緒に装着する運用例があります。訓練では所属組織の手順に沿って、変更前後の記録が分かる残し方を練習します。

訓練後は、控えが届いた先まで振り返る

訓練後の振り返りでは、タッグの書き方だけでなく、傷病者役と控えがどこまで移動できたかを見ます。きれいに記入できていても、控えが集計担当へ届かなければ、全体の人数や移動先を把握できません。

訓練後に見る項目

  • 通し番号、時刻、実施者、区分に記入漏れがないか
  • 記入した区分と、残した色帯が一致しているか
  • 複写の下の用紙まで読める濃さで写っているか
  • タッグが傷病者役とともに移動できたか
  • 控えが予定した担当者と保管場所へ届いたか
  • 再トリアージの前後が記録から追えるか
  • 訓練用の個人情報を決めた方法で回収・処分できたか

参考にした公的資料

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