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トリアージタッグの色の意味とは?赤・黄・緑・黒の区分を解説

上から黒・赤・黄・緑の色帯が付いたトリアージタッグを表すイラスト

この記事で扱うのは、災害や大きな事故で多くのけが人や急病人(傷病者)が発生したときに使われる、4色のトリアージタッグです。限られた医療スタッフ、医薬品、設備などの中で、診療や搬送の優先順位を決めることをトリアージといいます。トリアージタッグは、その時点の区分や傷病者の情報を記録し、救護・搬送・医療に関わる人へ引き継ぐための札です。

赤・黄・緑・黒の4色には一般的な意味があります。ただし、色は病名や治療内容そのものではなく、その時点の優先順位を示すものです。この記事では、4色の意味と紙のタッグの基本的な仕組みを紹介します。傷病者の状態を読者自身が判定するための手順ではありません。実際の判定、記入、装着、保管は、医療機関・自治体・訓練主催者が定めた基準やマニュアルに従ってください。

4色の要点

  • 赤:最優先で診療・搬送につなぐ区分
  • 黄:治療は必要だが、赤より時間的な猶予がある区分
  • 緑:軽症または軽い処置で対応できる区分
  • 黒:死亡、または限られた医療体制の中で救命が極めて困難と判断され、治療対象外とされる区分

黄や緑は「何もしなくてよい」という意味ではありません。黄や緑に区分された傷病者も、状態の変化に応じて再評価されます。また、黒色区分は、一般の人が死亡を確認するための表示ではありません。

トリアージタッグの役割と呼び方

「トリアージタッグ」と「トリアージタグ」は表記が異なりますが、どちらも災害・事故現場などで傷病者の情報を共有する札を指す言葉として使われています。「トリアージカード」と呼ばれる場合もあります。名称だけでなく、記入欄、1回の記入で複数の控えを作れる複写式、色の表示方法も、使う組織や製品によって異なります。

タッグには、色で優先順位を見分ける役割に加え、傷病者を識別し、判定時刻や状態、処置などを次の担当者へ引き継ぐ役割があります。記入する項目、誰が記入するか、どこへ装着するか、控えをどこに残すかは、使用するタッグと運用手順によって変わります。訓練で使う場合も、実物の様式と主催者のマニュアルを組み合わせて確認することが大切です。

トリアージタッグの4色が示す一般的な意味

日本赤十字社は、トリアージ区分を緑・黄・赤・黒の4色で説明しています。ここでは、優先順位を理解しやすいように赤・黄・緑・黒の順で紹介します。この説明順は、タッグに印刷された色帯の配置順とは異なります。

赤(区分Ⅰ・最優先)

重症で、治療の優先順位が最も高い状態を示す区分です。

黄(区分Ⅱ・待機的)

治療を必要としますが、赤の区分と比べて時間的な猶予がある状態を示します。「安全なので放置してよい」という意味ではなく、待機中の観察や再評価が必要です。

緑(区分Ⅲ・軽症)

軽症、または軽い処置で対応できる状態を示します。緑に区分された後も、状態が変化した場合は区分が見直されることがあります。

黒(区分0)

死亡している、または限られた医療スタッフや設備の中で救命が極めて困難と判断され、治療対象外とされる状態を示します。これは、多くの傷病者が同時に発生した災害・事故での優先順位を表す区分です。黒色区分は、一般の人が死亡を確認したことを示すものではありません。

色の名称だけで傷病者を判定できるわけではありません。実際の判定基準や、判定後に状態が変化した場合の対応は、医療機関・自治体・訓練主催者の基準に従います。訓練参加者は、主催者が示す手順と役割を事前に確認してください。

参考:日本赤十字社「一人でも多くの命を救うためのトリアージ」

トリアージは一度で終わりではありません

トリアージは、最初に色を決めたら終わりではありません。傷病者の状態は時間とともに変わるため、災害現場、救護所、搬送先など、場所や担当者が変わる際に再評価されることがあります。その結果、最初に付けられた区分から別の区分へ変わる場合があります。

そのためタッグには、区分だけでなく、判定した時刻、実施者、判断の根拠や処置内容などを記録できる欄が設けられます。区分を変更するときに追記するか、新しいタッグを使うか、以前のタッグをどう残すかは、運用する組織の手順に従います。

使い方・書き方は運用する組織の手順に合わせます

トリアージタッグの「使い方」「書き方」を確認するときは、色の意味だけでなく、誰が判定し、誰が記入し、どの時点で情報を引き継ぐかまで確認します。記入項目、タッグの装着位置、同時に作られた控えの保管先などは、タッグの様式や運用する組織によって異なるためです。

よく設けられる記入項目の例

  • 通し番号、氏名など傷病者を識別する情報
  • 判定した場所・日時・実施者
  • トリアージ区分と、状態や症状など判定の根拠となった情報
  • 症状、受傷部位、行った処置
  • 搬送先や情報を引き継いだ時刻

東京都と日本赤十字社が示すもぎ取り式の例では、タッグ下部の色帯が本体側から黒(0)・赤(Ⅰ)・黄(Ⅱ)・緑(Ⅲ)の順に並んでいます。下側から不要な色帯を切り取り、該当する色を最下部に残すことで、区分を見分けやすくする仕組みです。色帯の形状や切り取り方は製品によって異なるため、使用前に実物とマニュアルを照らし合わせます。

訓練では、タッグへの記入だけを個別に練習するのではなく、判定後に誰へ情報を渡すか、記録をどこへ集めるかも含めて流れを確かめます。状態の変化に応じて区分を見直す場面を想定する場合は、その手順も主催者側で決めておきます。

訓練前に準備しておきたいこと

トリアージ訓練で使うタッグを準備するときは、参加人数だけで数量を決めず、訓練のシナリオ、役割、記録の扱いを先に整理します。準備段階では、次の項目を確認します。

訓練前の確認項目

  • 訓練で使用する判定基準とマニュアル
  • 判定、記入、搬送、記録などの役割分担
  • 参加人数分のタッグと、汚損・書き損じに備える予備
  • 使用するタッグに合う記入具
  • 記入後のタッグと控えを回収・保管する場所
  • 氏名や症状など、訓練で扱う情報のルール
  • 訓練後に振り返る項目と、記録の扱い

練習用と本番備蓄用を分ける場合は、それぞれの数量も整理します。色別の使用枚数をあらかじめ固定するのではなく、訓練の想定と運用手順に合わせて必要数を決めます。

訓練で実在する人の氏名や連絡先を使う必要がない場合は、架空の情報を使うなど、個人情報を残さない方法を決めておきます。実際の情報を記入する場合は、誰が回収し、どこで保管し、いつ廃棄するかまで事前に定めます。

導入・印刷を検討するときに整理したいこと

トリアージタッグを新しく作る場合や、現在の仕様を見直す場合は、まず運用する組織が判定基準、記入項目、控えの保管先を決めます。そのうえで、使用中の現物やデータがあると、残したい項目と変更したい項目を印刷仕様へ反映しやすくなります。使用場面、必要部数、希望時期、記入欄、控えの枚数(複写枚数)、色表示、穴や紐の仕様などを、分かる範囲でまとめます。

西谷印刷では、トリアージタッグの仕様、名入れ、数量についてご相談を承っています。価格例や印刷仕様は「トリアージタッグ印刷」でご覧いただけます。

トリアージタッグは傷病者の状態と治療の優先順位を共有するために使います。一方、地域の防災訓練で世帯の安否や救助の必要性を周囲へ知らせる印刷物は「災害時安否確認カード」で紹介しています。目的が異なるため、訓練内容に合うものを選びます。

まとめ

トリアージタッグの赤・黄・緑・黒は、その時点の診療・搬送の優先順位を共有するための一般的な区分です。色は一度決めたら固定されるものではなく、状態の変化に応じて再評価されます。実際に使う組織の基準、記入方法、情報の引き継ぎ方まで含めて確認し、訓練ではタッグ、記入具、役割分担、回収・保管方法を事前にそろえておくことが大切です。

参考にした公的資料

公的資料に掲載された装着位置、複写の保管方法、区分変更の手順は、それぞれの機関における例を含みます。実際に使用する際は、所属する組織の最新のマニュアルを優先してください。

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